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TAXニュース  <JDL SONIC提供>


・空き家譲渡特例の要介護等の要件は老人ホーム等の入所直前に判定
・保険通達は7月8日以後、払戻金がない保険の30万円損金は10月8日以後の契約から
 (定期保険・第三分野保険に関する基本通達を改正)

TAXニュース 最終更新日【2019年7月24日】

保険通達は7月8日以後、払戻金がない保険の30万円損金は10月8日以後の契約から
(定期保険・第三分野保険に関する基本通達を改正)


 決算対策のいわゆる節税保険と呼ばれてきた、経営者向けの定期保険と第三分野保険に係る保険料の税務取扱いを一本化して損金算入を制限する法人税基本通達の一部改正が6月28日に公表されたが、5月10日が期限のパブリックコメントには生保各社をはじめ、127通もの意見が寄せられる関心の高さもあってか、原案の修正が随所に見られる決着となった。
 中でも、一本化に伴い廃止される平成24年個別通達のがん保険は、当初は全面廃止としていた国税庁も、6月初めに生保各社にアンケートを行い、新たな取扱いを盛り込んだ。
 具体的には、がん患者の就労サポートなど本来の保険目的から定着する経理処理の存続を求める生保各社に対し、国税庁は、保険料の払込期間を著しく短期間に設定し、かつ支払保険料の額が高額なものが販売されている実態を踏まえて廃止するとしつつも、「新たに、法人が、払戻金(解約返戻金相当額)のない短期払の定期保険又は第三分野保険(略)のうち、給与課税の対象とはならないものに加入した場合」は支払った保険料の額が30万円以下のものは、その支払った日の属する事業年度に損金算入を認める――というもの。一の被保険者につき2以上のこれら保険に加入している場合は合計額で判定。
 なお、パブリックコメント案は改正通達の発遣日がそのまま施行日とされていた通達そのものは7月8日以後の契約、払戻金のないものの30万円以下損金の扱いは10月8日以後の契約から適用されることになった。
 
 「保険通達は7月8日以後、払戻金がない保険の30万円損金は10月8日以後の契約から~定期保険・第三分野保険に関する基本通達を改正に続き、払戻金のない短期払の定期保険や第三分野保険の30万円以下損金の取扱いを追加する改正通達のパブリックコメント案からの修正以外にも、多くのパブリックコメント意見を踏まえて取扱いを明確にするなどの修正が加えられた。
 原則的取扱いの「法人税基本通達9-3-5」では、パブリックコメント案は保険期間が終身で保険料払込が有期である保険の取扱いが明確でないとの意見を受け、保険期間の開始の日から被保険者の年齢が116歳に達する日までを計算上の保険期間とすることを(注)1に明記した。
 最高解約返戻率という新たな基準により同率50%超の保険に係る保険料の損金算入を段階的に制限する「法人税基本通達9-3-5の2」でパブリックコメント案から修正されのは、(1)最高解約返戻率85%超の保険では資産計上額が当期支払保険料の額を超える可能性があるため、当期分支払保険料の額が上限となる旨を同通達(1)に、(2)(1)の計算方法が切り替わる。
 「保険期間の開始の日から、10年を経過する日」を事業年度の中途に迎える場合は1月未満の端数を切り捨てて計算する旨を同通達(1)(注)に。(3)(1)で解約返戻金の増加割合70%超となる期間が複数ある場合、最も遅い期間の終了日までを資産計上期間とするが、「最高解約返戻率となる期間」「解約返戻金相当額が最も高い金額」となる期間が複数ある場合も、最も遅い期間となることを同通達(3)(注)3に追加した。さらに最高解約返戻率の区分が変わった場合には、過去の事業年度に遡って修正する必要がないことを同通達(3)(注)5に追加した。
 損金算入額の計算が複雑になります。

 

TAXニュース 最終更新日【2019年7月1日】

空き家譲渡特例の要介護等の要件は老人ホーム等の入所直前に判定

 相続による空き家の譲渡特例は、令和元年度改正により、被相続人の相続開始直前に老人ホーム等に入居などの特定事由により居住の用に供されなくなった家屋や敷地に適用できるようになった。特定事由とは要介護や障害支援区分の認定を受ける被相続人が老人ホーム等に入居していた場合だが、この認定時期がいつなのか、このほど公表された改正通達では「被相続人の居住の用に供されなくなる直前」になることが明確化された。
 改正通達に新設された「要介護認定等の判定時期」(措通35-9の2)によると、被相続人が、要介護認定若しくは要支援認定又は障害支援区分の認定を受けていたかどうかは、「被相続人居住用家屋が当該被相続人の居住の用に供されなくなる直前において、当該被相続人がこれらの認定を受けていたかにより判定する」こととされた。
 同じく老人ホーム等に入居中に相続が発生した場合でも一定の要件を満たせば適用できる相続税の小規模宅地特例では、老人ホーム等の入所後に認定を受けた場合や申請中に相続が起きて、その後、認定を受けたケースも特例の対象とする弾力的な取扱いがされるが、空き家譲渡特例はあくまでも、要介護等の認定を受けて老人ホーム等に入所といった場合に限られ、厳格に解釈される点に注意する必要がある空き家を居住用財産とみなして3,000万円の譲渡所得を控除できる特例の対象に「老人ホーム入所直前に居住していた家屋」が加わる。相続税の小規模宅地特例と同様のだが、この老人ホーム入所の判定時期が異なるので注意したい。
 空き家の譲渡所得の3,000万円控除は、相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋が対象だが、平成31年4月以降の譲渡から、老人ホーム入所などの特定事由により被相続人の居住の用に供されなくなる直前にその居住の用に供されていた家屋が加わる。
 特定事由とは、一つは、要介護認定等を受けていた被相続人が養護老人ホームや特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などに入所。
 もう一つが、障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設(施設入所支援が行われるものに限定)や共同生活援助を行う住居に入所していた場合。
 2つとも小規模宅地特例と同様の要件だが、相続開始直前又は要介護認定の申請中に死亡した場合も対象となる同特例に対して、空き家譲渡の特例では老人ホーム入所直前に特定事由があることが要件となっている。
 さらにまた、入所後、居住していた自宅を貸し付けたり、誰かが居住した場合は対象外となるが、小規模宅地特例は老人ホーム入所前から同居していた生計一の親族が(被相続人の)老人ホーム入所後も引き続き、その自宅に居住する場合は対象となる。これに対して、空き家譲渡の特例では、老人ホーム入所の直前において被相続人以外に居住者がいなかったこと、つまり、完全に空き家であることが求められるので、注意したい。